機能性色素の開発に挑む
現在は開発課に所属しています。開発課では将来の製品になるような新規サンプルの開発や、既存の色素の合成検討などを行っています。具体的には、当社で扱う色素の性能を向上させるために、特許や論文などの文献を参考にしつつ分子設計して新規サンプルの合成を行います。そして、合成した色素はどんな性能を持つのか、試験をしたりしてその性能を評価します。また、顧客が分子構造を指定した化合物の合成検討なども行います。取り扱う合成のスケールは数グラムから1kgくらいまで、様々です。
顧客の要望を満たすサンプル合成ができた際に、やりがいを感じます。よく似た分子構造で、色調が同じ材料でも、お客様が使用される組成や条件によっては目的性能が出せない場合があります。そうした欠点を少しずつ修正し、目的性能が見出せたときには、達成感を感じます。入社したのが2018年なのでまだ経験が浅いですが、自分が提案した材料を使った顧客製品が上市されたら、また違った面白さが体験できるのではないかと期待しています。
今後の目標は、自分が開発に携わったフォトクロミック色素を社会に出すことです。今の社会でフォトクロミック材料は様々な用途で使われていて、商品化もされています。私が大学から勉強してきたフォトクロミック分子は、紫外線があたると着色し、可視光があたると消色するという面白い材料だったのですが、そうであるが故に取り扱いに困難な面があり、商品化して社会に出していくのはなかなか難しい材料です。今は自分が新しい材料を提案できる立場にいるので、より良い色素を開発して、社会に出せればと考えています。今後はそのための知識と経験を、さらに積んでいきたいと思います。
山田化学工業では、入社1年目から責任のある仕事を任されたり、様々な仕事が経験できます。私の場合は練習合成もほどほどに、入社2ヶ月後には納期があるサンプル合成を任されたんです。社内での合成実績がない化合物でしたが、先輩にサポートしていただき、無事に納品することができました。こうした経験が多く積めることと、コンパクトな会社なので、上司や先輩との距離感が近く、どんなことでも話しやすいところも、魅力のひとつです。
休日は、ほとんどの時間をバドミントンやサイクリングなど趣味に費やしています。市内を散策したり観光名所に立ち寄ったり。出身が関東地方なので、京都での暮らしはいつでも観光気分が味わえて楽しいです。